レファレンスデータサービス - 事例詳細

レファレンス一覧
管理番号 70
質問 Question 市内に伝わる「しっぺい太郎」の伝説について書かれた本を読みたい。
 また、しっぺい太郎と長野県駒ケ根市に伝わる「早太郎」は、同じ犬なのか。
回答 Answer  しっぺい太郎伝説は『今昔物語』巻第26第7に書かれた「猿神退治」が原典と言われています。青森から鹿児島までの各地に広く伝わる民話の一つで、通常、「丹波の国のしっぺい太郎に知らせるな!」が知られ、「近江の・・」、「出雲の・・」、そして当市の「信濃の・・」などがあるようです。県内では浜松市や伊豆の国市にも同様に伝わっています。
「悉平太郎」、「竹箆太郎」、「執柄太郎」などと記され、山犬(狼)信仰(農作物の守護神)と関わりがあるとされています。ちなみに、座禅の時に戒めのために打つ板状の道具を「竹箆」と言いますが、「しっぺ(い)返し(やり返すこと)」という言葉も、ここに由来があるようです。
しっぺい太郎と早太郎は、同じ犬で、磐田市ではしっぺい太郎、駒ケ根市では早太郎と呼ばれています。駒ヶ根市を含む山間部では、「早太郎」は山犬(オオカミ)と言っているように「山犬(オオカミ)信仰」にかかわる話とされています。
 「しっぺい太郎」は「竹(しっ)箆(ぺい)」、すなわち禅宗の道具で、「戒め」、「悪行を断ち切る」という意味で、中世後期、遠州地方(現在、遠州全体の8割は曹洞宗)に広まっていた天台宗(=老猿すなわち「猿」は神の使い)の勢力を抑えたという禅宗普及説話とも言われます。また、「疾風」(風のように早い)が訛って単に「しっぺい」になったという説もあります。
 『天竜川流域の暮らしと文化(下)』(S234)や、郷土研究の雑誌である「磐南文化」(S050)などの研究書や民話など多くの資料があります。
回答プロセス
調査に利用したWebサイト(表示できない場合があります) 現在、登録されているURLはありません
調査に利用した資料
照会先 現在、登録されている照会先はありません